狩猟をはじめて、初の獲物。
獲れたのは、タヌキでした。
2日前に、くくり罠に異変。
干し芋に使うサツマイモ。
ダメになったサツマイモをもらったので。
エサでおびき寄せる作戦を決行する。
罠の付近に散らしておいたサツマイモ。
見回ると、食べた後。
今の寒い季節は。
自然界に動物の食べ物は、少ないはず。
畑にも狙われる作物、食べ物はなく。
動物のお腹の減り具合、食欲が。
警戒心を上回っている時期なのかもしれない。
なんか、茶色いものがいる!
罠を見回りと。
くくり罠を仕掛けた場所の雰囲気がおかしい。
遠目で見て、明らかに罠を仕掛けた場所の様子が変わっている。
イノシシか!
危ないので恐る恐る近づく。
こちらの気配を察して動いた動物は。
タヌキ。
完全に罠にかかってる。
これは、錯誤捕獲。
狙っている獲物はイノシシ。
狩猟用語でいうこれは錯誤捕獲。
釣りでいうと外道。
狩猟鳥獣ではあっても。
食肉としては適さない。
かわいそうだから逃がしてあげよう。
狩猟をやっている人に電話をかけると。
「棒、ない?」
「えっ!」
「畑を荒らす動物。ダメだよ、逃がしちゃ」
見た目はかわいいし。
逃げたり、襲ってくる様子もなく。
無抵抗。
感覚的にはこの動物を処分する必要があるのか?
心の迷い。
でも、これは命を奪う狩猟。
そういうことで。
処分することを決心する。
これくらいのことは、自分でやるしかない。
狩猟、罠をかけた責任は自分でとる。
名目は有害駆除。
畑を荒らす動物だから仕方ない。
そう思って、棒を振り下ろす。
生きている動物に対して、初めての経験。
食べるためでもなく、動物を殺す目的で殴る体験。
無抵抗の相手、動物に対して本気で叩けない。
襲ってくる相手なら、こちらに危険があればそれなりの力が出せる。
数回殴って、ぐったりした、息があるタヌキ。
それを見て茫然と、固まる自分。
害獣だからと、自分の中で言い聞かせる、思い込む。
お清め、日本酒を飲む特別感。
日本酒を買いに行く。
- 意図とは違っても初めての獲物、お祝い。
- 命を奪った、お清め。
- 罪悪感、感触、光景を忘れる精神的安定。
そういう意味でも、日本酒は。
なんとなく特別なお酒。
ビールでとか、ワイン、焼酎でという気分にはなれない。
複雑な感情ではあっても。
狩猟、罠の実績として1匹目。
これが狩猟、そして農業。